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ようやく暖かくなってきた季節、「なぜ今、暖房?」と思われるかもしれません。
しかし、“今”が次の冬を快適に過ごす暖房の戦略を立てるのにベストなタイミングです。
なぜなら、冬の寒さについて一番鮮明に記憶している時だからです。
次のシーズン、寒くなってから対策すると、その時インパクトのあることしか目を向けられず急場凌ぎになってしまいがちです。
「床が冷たいと思ってホットカーペットを買ってみたけど、床に座ることがあんまりなくて、電源を入れることがなかった」
「窓まわりがスースーしたからプチプチを貼ったけど、それほど効果を感じないうえ景色が見えなくて圧迫感があったし、剥がしたあとのゴミも気になった」
といった、対策したもののあんまり効果的ではなかったり過剰だったといったこと、逆にうまくいったこと、などを詳しく思い出すことができて、次の冬シーズンに慌てずに計画が立てられ、多少導入に費用がかかる対策法にも予算を組んでおくことができます。
この記事ではOM社員のさまざまな暖房方法をまとめています。
私たちOMソーラーの社員も、皆さんと同じく暖房と光熱費のバランスを考えながら暮らしていますが、省エネで快適な家づくりのために活動していることもあって、少し予備知識があります。
社員それぞれ家族構成も住んでいる家のタイプも異なり、皆さんの生活条件と異なるかと思いますが、この記事が少しでも参考になり、みなさんの次シーズンの寒さへの攻略法がより具体的になれば幸いです!
昨年と今年、2年にわたっての暮らし方を社員にヒアリングした内容をまとめました。
「昨年の冬」は2021年12月〜2023年2月、「今年の冬」は2022年12月〜2023年2月を指しています。
この記事では以下4種類の住宅について取り上げていきます。
・集合住宅
RC(鉄筋コンクリート)造
軽量鉄骨造
・戸建住宅
一般の注文住宅
OMソーラーの家
集合住宅 RC(鉄筋コンクリート)造
RC造の集合住宅のいいところは、隣室が暖房していたらその熱が伝わって外気温の影響を受けづらいこと。
RC造マンション暮らしのOM社員2人にヒアリングしたところ、2人とも、上下左右、別の部屋に囲まれた部屋を選んで入居していました。
窓の方角やペアガラスなど、条件がよければ、冬はほぼ無暖房で暮らせます。
逆に、夏は生活する上で人も家電も熱を発していますので、熱の逃げにくいRC造では暑くなる傾向があります。
Aさんの暮らし
今年の冬は無暖房で暮らしました。早朝に起きて肌寒い感じがすることもありますが、ほとんど21℃以上、1回だけ最低室温が19℃になりました。この冬、洗濯乾燥機を導入したため、その暖かさが室温に影響しているのではないか、とAさんはいいます。洗濯乾燥機は、室内干しが邪魔だったことから導入しましたが、家事が楽になり洗濯物の仕上がり感が良くなったとのこと。この他には、部屋の乾燥を防ぐために小型加湿器で少量の加湿もしています。
昨年の冬は、寒がりの家族のために寝室のみ寝るまでの30分程度、床暖房を入れて部屋を温めていました。このときの寝室の室温は23℃くらいでした。外気との差があるので窓周りが結露する可能性があり、窓下専用ヒーターをつけていました。このヒーターの消費電力は120W程度。
今年の冬には、床暖房も窓下専用ヒーターも使わずに、寝る時にカーテンを閉める程度で過ごせたのは、昨年暖房していた分が、乾燥機の暖かさで代用できたそうです。
つまり、暮らしの熱源で暖房をまかなっているため、暖房費は0円/月ということになります。
最上下階、角部屋を避けると外気温の影響を受けにくくなります。
Bさんの暮らし
昨年の冬も今年の冬も、2台設置しているエアコンのうち1台を、22℃設定で24時間運転していました。
設定温度に達するとエアコンは待機状態になるため、基本はつけっぱなしです。
自動掃除機能付きのエアコンで、運転を止めて掃除することはほぼありません。
使っている部屋のドアは開け放ち空気をあたため、使っていない部屋のドアは閉じています。昨年の冬は、寝室に設置している2台目のエアコンを寝る前の30分運転していましたが、今年の冬は、24時間運転している1台目のみで過ごし、たまに電気カーペットを使用しました。
昨年と今年では、電気使用量に大きな変化はありませんが、単価上昇のため電気代は上がっています。暖房費は7,000円/月程度です。
使う部屋のドアは開け放ち、室温差を減らします。
集合住宅 軽量鉄骨造
築20年程度の賃貸アパートの場合、断熱性能があまり期待できない場合もあるようです。
実際に社員の住んでいるアパートの窓もアルミのシングルガラス。
真冬にサーモカメラで壁や天井を写してみたところ、ところどころ断熱できていなくて内壁まで冷えているのが確認できました。
そのような暖かさが逃げてしまう居住スペースで、全体を暖房して快適に過ごそうとすると暖房費がかさんでしまうため、暖房費を抑えたい場合は部分的に温める方法が適しています。
Cさんの暮らし
東西には大きなアルミシングルガラスの窓、南には小さな窓がひとつ。
東西南北どの壁も隣家と繋がっていないつくりで、真冬の室内環境はよくありません。
そういう条件の中で暖房費を減らすにはどう暮らしたらいいかトライした結果、この数年、冬は、64㎡の居住スペースのうち20㎡を使う暮らしになりました。
起床時には外気に近い室温になるため、その空間を、エアコンの予約タイマーを使って起床1時間前から2時間程度運転し、他の在宅時間は小型の灯油ストーブを使っています。
熱を作り出すコストは灯油が一番低いという理由です。小型の灯油ストーブは暖かさも穏やかで燃料の使用量も抑えられます。
外気温が2℃程度でも灯油ストーブを入れると室温は18℃〜20℃になります。暖房費は4,000円/月程度です。
暖房に加えて、RC造のペアガラスの住まいと異なり、室温を上げても窓からのコールドドラフトや、床や壁の冷たい輻射熱の影響で寒いと感じるため、窓はプチプチを貼り夜間には断熱カーテンを閉める、床にはカーペットを敷く、厚手の靴下をはく、といった工夫をしています。
冬に窓と床に体の熱を奪われると寒く感じますが、カーテンやカーペットなどで冷気を防ぐと、
熱を奪われるスピードが遅くなり、寒さを感じにくくなります。
戸建住宅 一般の木造住宅
戸建て住宅は家により断熱気密もそれぞれですが、性能が意識される以前、築年数が経過している住宅では、上の軽量鉄骨の集合住宅と同じく、全室を暖房すると膨大なエネルギーコストがかかってしまいます。
そのため、使っている部屋のみ暖房するというのが一般的です。
Dさんの暮らし
昨年の冬と今年の冬で、暮らし方は同じです。
家族が集まる時間のみ、LDK一体型の部屋(約20畳)でエアコンを使用しています。
同時に「弱運転」でホットカーペットを併用します。風呂の脱衣室がLDKの隣にあり、お風呂に入る30分前にドアを開け放ち温めています。
風呂のお湯をためるときはふたをあけたまま、ヒートショックを防ぐため、なるべく風呂場の室温が高くなるよう工夫します。
エアコンは全部で4台ありますが、LDKの1台と、寝る前に使用する寝室のエアコン、計2台を主に使い、今年の冬の暖房費は7,000円/月程度です。
築38年の家に暮らすDさんは、約10年前にシングルガラスだった窓を、ダブルサッシに変えたり間取りを変更しました。
窓から冷気でひんやりすることはなくなりましたが、窓だけ性能を上げても、壁、天井、床、6面全体から冷えていってしまうので、外気温が2℃程度の朝はリビングの室温が7℃程度まで下がります。
これを解決しようとすると、暖房する部屋の内側全体に断熱材を貼るといった対策が必要になります。
暖かいリビングと寒い脱衣所。風呂に入る前にドアを開けておくと室温差が緩やかになり、
ヒートショックのリスクを低減させることができます。
Eさんの暮らし
昨年の冬と今年の冬、いずれも暮らし方は同じで、電気の使用量も変わりありませんが、電気代が値上がりしており、今年の冬の暖房費は20,000円/月程度になりました。
LDK一体型の部屋と続き間の和室の合計20畳を暖房しています。
続き間の和室は寝室にしているため、風呂やトイレに行く以外は、この空間で過ごしています。
暖房方法はオイルヒーターとホットカーペット。
家族は冬はホットカーペットの上で過ごします。
子ども部屋にエアコンがあり、子どもはエアコンを使っています。
LDKの室温を測ったところ、外気温6℃の日で、夜20時ごろの室温は19℃、朝5時半頃は14℃、洗面脱衣室は12℃。
26年前の建築当時、その当時では断熱性能が高めの家を建てていたので、このくらいの暖房で過ごせていますが、将来的に年を重ねることも考慮して、何らかの改善をしたいと考えています。
効果と価格を考慮すると、窓の内側にペアガラスのサッシをつけて2重窓にするのが現実的かと思っています。
シングルガラスのサッシに、室内側にサッシを追加で取り付けると
窓からの冷気を軽減させることができます。
戸建住宅 OMソーラーの木造住宅
OMソーラーの木造住宅は、晴れていれば太陽の熱で暖房しているため無暖房で過ごすことができます。
太陽の出ない雨天や夜間は暖房しないため、その時間帯は暖房が必要になることがあります。
社員のOMソーラーの家は、上で紹介した一般の木造住宅と比較して築10年程度と築年数が浅く断熱性能も高いですし、太陽熱はタダで、無料で暖房していますがその分導入時に費用がかかるため、暖房費だけで一般の住宅と比較することはできませんが、ここでは家全体を温める暖房方法の参考として暮らし方をご紹介します。
Fさんの暮らし
家全体150㎡の中、日常的に使用しているのは120㎡程度、晴れた昼間はOMソーラーでこの範囲を暖房しています。
エアコンは5台入居時につけましたが、振り返ってみるとほぼ1台しか使っていません。
リビングにあるエアコン1台は、24時間、設定温度を20℃にして連続運転しています。
エアコン暖房は、OMソーラーの稼働中は待機状態で、曇・雨天と、夜間に設定温度を下回ると運転します。
運転時はOMソーラーは循環運転※をさせて家全体に空気が回るようにしています。
ドアは開けっぱなしですが、使わない部屋はドアを閉めて暖房空気が入らないようにしています。
この暖房方法で、暖房費は10,000円/月程度です。
OMソーラーは床暖房なので、冬でも裸足で過ごしています。
築10年が経過し、リビングのエアコンも10年使用したため、昨年、買い替えました。
以前は5kWのエアコンでしたが、4kWでもいけると確信を持ったのでダウンサイズしました。
エアコンの出力は、空間に適したサイズを選ぶことで機器に過度な負荷がかからないのですが、OMソーラーによる暖房がベースにあるため、10年過ごした感触と、最新機種の機械の性能から判断しました。
メーカーの推奨する耐用年数を越えたら替え時です。
最新機器であれば機器能力や省エネ性能も良くなり、結果として電気代や快適性も上げることができます。
Gさんの暮らし
120㎡の家のなかで97.3㎡OMソーラーの暖房が入るよう設計しています。
晴れた昼間はOMソーラーの暖房だけ運転し他の暖房はつけていません。
23時から翌6時まではタイマーで循環運転※をして、部屋のドアは開け放して、部屋ごとの温度差を低減させています。
冬でも裸足で過ごしています。
天気予報をみて、寒波や雨とされる期間には、寝る前に設定温度を19℃にして運転したままにします。
家にいる昼間、寒さを感じるときは、エアコンの設定温度を20℃〜21℃で運転するときもあります。
今年の冬は、子どもの部活動などがなくなり、冬休みの間はエアコンを連続運転していました。暖房費は5,000円/月程度です。
※OMソーラーの循環運転は、全館の空気を循環させる運転モードです。
冬は、エアコン暖房や薪ストーブ暖房の空気を全館に回すのに有効です。
まとめ
以上、集合住宅、戸建住宅の社員の暖房方法をお伝えしました。
ここから解ることは、住まいの断熱性能によって暖房する範囲と時間帯が違う傾向にあるということです。
範囲
・断熱性能が高い家→住まい全体なるべく温度差がないように暖房
・断熱性能が低い家→主に使用している部屋のみ暖房
時間帯
・断熱性能が高い家→連続(24時間)暖房
・断熱性能が低い家→使う時間だけ暖房
断熱性能が低い家では、全体を連続暖房すると暖房費が高くなってしまうため、制限して暮らしていることが解ります。
確かに、断熱性能が高い家のほうが、部屋ごと、時間ごとの室温差が生まれず快適に過ごせてヒートショックなどのリスクも下げることができますが、断熱性能が低い家でも寒さの感じ方と効果的な対策方法を知り、家族で話し合って計画すれば、冬の光熱費に驚くことなく安心して暮らせます。
寒さの感じ方と効果的な対策方法については、OM社員の暖房対策の方法が具体例になりますが、これには基本の考え方があります。
基本の考え方がなるべく簡単に伝わるよう、かわいいイラストで表現した「熱の基礎知識」という動画を作っていますので、ぜひ、ご家族みなさんでご覧ください。
来年の冬は、みんなで、より効率的に暖かく過ごせるようにしていきましょう。
▼OMソーラーについて詳しく知りたい方はこちら
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